大判例

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東京高等裁判所 昭和24年(新を)1291号 判決

食糧管理法第三十四条は、情状に因り同法第三十一条が選択的に定めている懲役及び罰金の両刑を併科し得る旨を定めた規定で、その併科すると否とは全く裁判所の自由な裁量に一任されているところであるから、起訴状に掲げた罰条が同法第三十一条のみであるとしても、裁判所の認定するところが起訴に係かる事実と一致し、それが同法条に該当するものである限り、検察官において所謂罰条として更に同法第三十四条を追加しなくとも、何等被告人の防禦に実質的な不利益を生ずることはないのであるから、裁判所は自由な裁量権に基き情状ありと思料するときは同条の定むるところに従い、同条第三十一条所定の懲役及び罰金の両刑を併科し得るものと謂わねばならない。従つて原審が起訴状に罰条として掲げたところが食糧管理法第三十一条のみであるに拘わらず敢て同法第三十四条を適用して懲役と罰金を併科したからといつて毫も批議さるべき限りではない。而して亦所論は、判決において右併科の理由となつた情状を説明すべきに拘わらず、原判決はそれをしなかつた違法があるという趣旨の論難を加えているが、斯かる説明を判決に掲ぐべきことは法律の特に命ずるところではないから、その論難は当らない。

所論は理由がない。

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